ハセガワ 1/48 中島 キ84-I 四式戦闘機 疾風

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日本陸軍四式戦闘機「疾風」は太平洋戦争末期に登場しました。当時の米軍機の劣らない高出力なエンジンと優れた機体設計は、大戦中の日本の航空技術の一つ の頂点と言って良いと思います。そのため当時は「大東亜決戦機」呼ばれており、3500機ほどが生産されました。しかしながら、良質な原材料や、燃料、工 員を消耗しきっていた当時の日本では期待されたほどの成果を残すことは出来ませんでした。戦後、アメリカで良質の燃料や点火プラグを使用したテストでは、 戦前の日本での公表スペックを上回る性能を発揮した話は有名です。

模型作成復帰以来、ずっと1/72か1/144スケールを作ってきましたが、初めて1/48にチャレンジしてみました。

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本キットが優れているのもありますが、1/72スケールのものと比べると非常に良く出来たコックピットです。丁寧に色を塗り分けるだけで素晴らしい出来になります。特別な工作はまったく無く、キットのまま作っています。

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機体の部品数も少なく、あっという間に飛行機の形になります。エンジンは2列あるシリンダーの前部しか無いのですが、奥は見えないので十分なディティールだと思います。これもキットのままです。

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機体細部のまで非常に良く彫刻されています。裏面は細かくリベットが打たれていますが、表は割と省略されています。

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日の丸はデカールが付いているのですが塗装しました。最初に白を塗っておき、その上に赤の部分をマスキングして塗ります。その後日の丸全体をマスキングして機体色を塗りました。

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やはり、大戦中の日本機は使い込まれた感じを出したいので退色表現を試みました。あらかじめパネルラインに沿って黒を塗っておき、その上に機体色を塗ります。下地の黒が消えない程度に色を重ねて塗ります。

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更に、少し白を混ぜた機体色をパネル内側辺りに塗り、退色感を出します。大体の塗装を終えて日の丸やその他のマスキングをはがします。このとき、なんとなく違和感を感じていたのですが…。

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ウオッシングもかねて墨入れを行います。ここで、なんとなく感じていた違和感の正体が分かりました。日の丸の白の部分が1mmほど大きかったのです (´Д`)。一度気になると無性に直したくなるので結局再びマスキングを行って塗りなおしました。更に調べてみると尾翼前部の白い帯の位置も前過ぎること が分かりました。これはそのままにしました。

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やはり日本機の塗装は剥げている方がらしいので、シルバーで塗装の剥げを書き込んでみます。実機や作例の写真を見ながらそれらしく書き込んでいるつもりなのですが、納得できる仕上がりにはなかなかなりません。この辺はまだまだ修行が足りないようです(^^;。

エンジンの排気による煤けは細噴きのエアブラシで書き込んでいます。これはタミヤカラーのダークブラウンやフラットブラックを使用しています。こういった 汚しの部分はクレオスのMr.カラーよりタミヤカラーの方が粒子が細かく良い感じに仕上がるように思えます。何より失敗しときふき取ってやり直せますし。

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アンテナ線は釣り用のテグス0.6号を使ってみました。また、主脚のブレーキパイプを細い半田線で追加しています。このキットで追加工作した点はこれだけです。

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完成してから、優れたディティール表現と組み立て易さが同居した本当に良いキットだと実感しています。今回殆ど改造らしい改造は行っていません。塗装に力を入れれば本当に素晴らしい出来になるでしょう。

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今まで作ったキットの中でもかなり完成までの時間がかからなかったキットでした。疾風は大戦中の日本機の中でも非常に好きな機体なのでもう一度作ってみたいものです。

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