ハセガワ 1/48 P-51D/K ムスタング ‘パシフィック エーセス’

P-51ムスタングは第二次世界大戦の後半に導入されたアメリカの戦闘機です。エンジンはイギリスのロールスロイスが開発したマーリンエンジンを搭載し、その優れた性能から史上最高のレシプロ戦闘機と言われています。マーリンエンジンはイギリスの戦闘機、スピットファイアに搭載されているエンジンとしても有名です。

今回紹介するキットは2003年頃に発売、購入したものです。ハセガワからは現在も1/48スケールP-51は発売されていますが今回紹介するキットとは塗装マーキングが異なり、本キットは現在は生産されていないようです。購入から十数年経過されていることもあり、デカールがかなり劣化していましたが、なんとか完成させることができました。(^^

コックピット周りのパーツ構成です。サイドパネルも細部まで彫刻されていて良い感じです。

左右に分割された機体パーツの接着前に、エアインテーク内部や後部脚のパーツを接着しておく必要があります。

コクピットのフロントパネルはデカールが付いているのですが、パーツの彫刻と微妙に合っていないようなので、ドライブラシ塗装で塗り分けました。

シートベルトも彫刻されています。塗り分けるだけでも十分なディティールです。

ヘッドアップディスプレーはちょっと実機と形状が異なるようですが、そのままにしました。(^^;

エンジンマフラーの排気口はピンバイスで穴を開けてみました。

長年放置していたためか、パーツが少し歪んだ感じでした。洗濯ばさみで固定して接着しています。

つなぎ目の段差も少し目立つのでパテで埋めています。

裏側もモールドが消えないように注意しながら接着面をパテで埋めています。

主翼は付け根の隙間もなく、ピタリと収まりました。

脚室はかなり浅い感じです。絶対にタイヤは収まりません。(^^;

P-51のキャノピーは現用機に近く、後部ガラス部分は一体成型なのでマスキングは楽です。当時の戦闘機のキャノピーは殆どが分割されたアクリルガラスで構成されていたので、P-51が新しい技術で製造されていたことが伺えます。

機体は金属塗装なので下地は黒のサーフェーサーにしました。機体の接着面の段差がまだ目立っていたので再度、パテで修正しています。

機体はクレオスのSM201番スーパーファインシルバー2で塗装しました。通常の8番シルバーよりも金属感があります。実機の写真では結構パネル毎に金属の質感が違っていることが分かります。今回の塗装も(正確性はおいておいて(^^;)パネル毎の質感違いを表現しようと思います。写真ではパネルの一部をSM206番スーパークロームシルバーで塗装しました。この部分は翼内機銃のハッチになり、割と金属の質感違いがはっきりしている部分です。

主翼のフラップ等、可動部分はクレオスのSM03番スーパーアイアンで塗ってみました。

写真だと違いは微妙ですね。(^^;

主翼の黒い帯状の塗装もマスキングで行いました。

パネルラインのスミ入れはタミヤ、ウェザリングカラーのフラットブラックです。

スピナーはデカールで塗装の塗り分けを表現するようになっていたのですが、劣化したデカールは貼り付けているうちに粉々に割れていきました。

キットを作成する前もデカールがかなり黄ばんでいたのですが、ネットで太陽光に晒すと黄ばみが取れる情報を得て、1週間ほど日光に当てていました。効果はテキメンでほぼ購入当時の色味に戻っていたのですが、脆くなってしまったデカールは復活できないようです。特に曲面への貼り付けはかなり厳しい状態です。

というわけで、スピナーはマスキングで塗装しました。

脆くなったデカールの強度を補完するためにデカールにクレオスのGX100、スーパークリアーⅢを塗っています。強度はある程度復活しますが、油断して少し力を入れると割れてしまいます。そのため、かなり神経を使って丁寧な作業が求められました。曲面への貼り付けはマークソフターを使いたいのですが、貼り付け途中でマークソフターを塗布するのは危険と考え、デカールの乾燥後に塗っています。

塗装ハゲをチッピング塗装で表現してみました。

全体的にグレーや、黒の油絵の具でフィルタリングをしてみました。

マフラーや、機銃の銃口付近のすす汚れも油絵の具で書き込んでいます。

アンテナ線を釣り用テグスで追加してみました。アンテナ線はキャノピーの穴を通って尾翼とシートのヘッドレスト近辺とつながっています。キャノピーの穴はピンバイスで開けました。

アンテナ線にピントが合わないです。(^^;

P-51はレシプロ戦闘機時代の末期に登場しました。性能的にも当時のレシプロ戦闘機の中で最高の数値を出しており紛れもない傑作機ですが、まもなく時代はジェット機主流となっていきます。

今回の作例では脆くなったデカールに苦労しましたが、なんとか完成させることができました。劣化デカールの強化にクリア塗料を使いましたが、デカール軟化剤の効果が効きづらくなったようで、パネルラインの凹モールドにはピタリと密着できませんでした。もっと良い方法があればよいのですが…。デカールは別パーツとして発売されているものもあるので、それを購入するのも有りかと思いました。

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