フォッケウルフFw190は第二次世界大戦で活躍したドイツの戦闘機です。メッサーシュミットBf109と共に当時のドイツを代表する戦闘機でした。Bf109は液冷型エンジンを採用したことに対し、Fw190は星型空冷型エンジンBMW 801を採用していました。BMW 801はコマンドゲレートと呼ばれるアナログ式のコンピュータによりプロペラピッチやエンジンの燃料流量、点火時期などを自動調整する先進的な機構が導入されていました。
今回作例を紹介するのはチェコのプラモデルメーカ、エデュアルドの1/48スケールFw 190A-3です。
コクピットの計器盤やシートベルト等は塗装済みのエッチングパーツが用意されています。繊細なモールドが施されたプラパーツも選択することができます。
メーター類のメモリやガラスも再現されています。2枚重ねて立体的に表現されます。
計器パネルの表面塗装は少々荒いのが気になります。
レバー類もエッチングパーツで再現されていますが、接着面がほとんど無いので組み立ては神経を使います。
サイドパネルもシートベルトもエッチングパーツで再現されています。プラパーツでは再現するのが難しい繊細な表現が実現します。フットバーもエッチングパーツが付属していましたが、細かな折り曲げ加工が必要なのでプラパーツを使用しました。
機体のパーツ構成です。エンジンの前面部まで再現されています。
コクピットと機体の接合も良好です。
主翼の下部のパーツを仮組みして違和感を感じました。機首の下部が飛び出しており、エンジンカウルのパーツと干渉して取り付けることができません。
説明書の最初には主翼パーツは”G”パーツと説明されていますが、組立図では主翼パーツがなぜか”N”パーツと説明されています。”N”パーツはキットに同梱されていませんでした。
どうやら組み立て説明書のパーツリストに記載ミスがあり、同梱するパーツごと間違えているようです。組み立て手順ではカウル下部が別パーツになっているのですが、同梱されているパーツはカウル下部と主翼が一体になっています。国産キットではちょっと考えられないミスです。幸い、カウル下部パーツは同梱されていました。
仕方がないので主翼パーツからカウル下部を切り取って、本来のカウルパーツを取り付けます。電動リューターでサクッと切り取りました。
切断面を仮組みしながら調整して、ピタリと合うようになりました。
少々手間がかかってしまいましたが、形にすることはできました。おそらく主翼も実機と微妙な違いは有りそうですが気にしないことにします。(^^;
主脚のパーツ構成です。タイヤとホイールが別パーツになっているので、塗り分けは楽です。
プロペラのパーツ構成です。プロペラの後部にはFw190の特徴でもあるエンジンの強制冷却ファンが付属します。
キャノピーの塗装用にマスキングシートが付属します。嬉しいことにシートはカット済みで貼るだけです。
機首全体を組み立てた状態です。キャノピー前部も接着して塗装に入りました。
下地塗装のサーフェーサーはグレーにしました。全体に細かなリベットが表現されており、非常に情報量は多いです。
予めパネルラインにフラットブラックを吹いています。フラットブラックを気持ち残す程度に全体を塗装しました。
主翼の迷彩塗装はエアブラシでフリーハンドで書き込みました。説明書の塗装ガイドはクレオスの塗料番号も記載されています。
エンジンカウル後方の排気口周辺等の細かなところはマスキングで塗り分けました。
弾薬補充のハッチ等、比較的開くことが多そうなパネルはシルバーで塗装ハゲを書き込んでみました。
全体的にダークグレーで墨入れ塗装を行いました。リベットの表現が際立ちます。
デカールは非常に皮膜が薄く段差が目立ちませんが、全体的に脆い感じで貼り付けは慎重に行う必要があります。
基本塗装を終えた状態です。
可動部のオイル滲みや排莢口のすす汚れなどの汚し塗装はタミヤのウェザリングマスターを使いました。
アンテナワイヤーを追加しました。ワイヤーは0.4mmの釣り用テグスを使いました。
なんと機銃の銃口はキットのパーツから開口済みでした。ディティールへのこだわりが感じられます。
客室内部のディティールも緻密です。
Fw190は1941年の東部戦線から投入され、ドイツの敗北後もいくつかの国で運用されました。Fw190は作例のA3の他、D、F、G、S型と様々な派生型が存在し、総生産数は20000機を超えます。
チェコのプラモデルメーカーのエディアルドのキットは、過去に作例を紹介したMiG-21以来ですが、MiG-21のキットと同様に本キットも細部まで緻密に再現されたディティールが魅力です。エッチングパーツは塗装済みですが、きれいに組み立てるにはそれなりの技術が必要で、割と上級者向けのキットと感じました。キット自体のパーツミス(と思われる部分)がありましたが、見どころが多いキットだと感じました。
コメント
「ホントは液冷にしたいけど仕方なく空冷にするかー」
⇒「色々工夫を重ねてかえってよいものができた」というパターンでしょうか。日本の五式戦闘機のような。