F-104は世界で初めて速度マッハ2を実現した迎撃戦闘機です。デビュー当時は最後の有人戦闘機と言われていました。F-104は優れた性能を持ってい ましたが、当時はミサイル性能が急激に上がったため有人の戦闘機による戦闘は無くなるのではないかと思われていました。F-104は米国ロッキード社が開 発しましたが、日本の航空自衛隊をはじめヨーロッパで多く採用されました。航空自衛隊では既にF-104は退役しており、飛行する姿を見ることは出来ませ んが、東京近辺では航空自衛隊入間基地の航空公園に展示されています。(現在は展示されていません。)
比較的作りやすく、筋彫りやモールドも非常に繊細で出来栄えは非常に良いキットです。
コクピットの計器類は細かなモールドにより再現されています。デカールも付属していますが、モールドを削らないと貼るのは難しいため、塗装してみました。スイッチ類の塗装は爪楊枝をつかうと簡単に綺麗に塗装できます。
胴体はなぜか前後にも分割されています。ここは慎重に接着します。エアインテークは合いがいまいちでした。エアインテーク内は予め塗装してマスキングしておきます。
下地塗装はクレオスのMr.サーフェーサー1000をレベリング薄め液で2~3倍に薄めたものを使っています。缶の物に比べ、局部的に塗ることも出来るの でお薦めです。サーフェーサの塗装後、微妙なひけや、消えていない継ぎ目が見つかっても、処理後に修正箇所だけにサーフェーサを塗ることが出来るため、厚 く塗りすぎてモールドを甘くすることを防ぐことが出来ます。
主翼の白は予め、クレオスのMr.ベースホワイト1000を塗装してから、白を塗っています。Mr.ベースホワイト1000は下地の隠ぺい力が非常に高い ため、塗装の皮膜が薄い白塗装が可能です。ただし艶消し白のため、艶ありにするには後から艶有り白を塗装する必要があります。
エンジン周りの金属色はパネル毎に微妙に素材の違いにより色が異なるため、塗り分けます。ここはF-104キットの最大の見せ場でしょう。入間基地で撮影 したF-104の写真を参考に、スモークグレーや、黒鉄色、焼鉄色を混ぜて、微妙な変化を与えたシルバーを3色作りました。パネルの形状が複雑なため、マ スキングは非常に面倒でした。
焼けた金属色を非常に上手に再現して塗装される方がいらっしゃいますが、どうやって塗装しているのでしょう?クリアオレンジ等を後から少し吹いて、焼けた金属の再現にチャレンジしたのですが、あまり思ったように行かなかったので、やめてしまいました。
細かい塗装指示が多いため、マスキングを何度も繰り返しました。筆で塗ったほうが早かったかもしれません。
墨入れは、ベースの色より少し暗い色で行うのが良いと思っています。この辺りは個人の好みや解釈によると思うのですが、金属部分の墨入れはコントラストが 高い方が金属の質感が出ると思います。今回はエンジン周りをフラットブラック、白い主翼はニュートラルグレー、その他機体等はミディアムグレーを使いまし た。
デカールを貼った後は、水性フラットクリアを吹いて艶を整えています。主翼は艶があるようなのでクレオスの水性クリアを吹きました。この水性クリアは曲者 で、乾燥後も埃が付くと、がっちりくっついてしまいます。皮膜も少し弾力があり、仕上げに使うのはやめたほうが良かったようです。
機体上部にある3箇所の小さな赤い丸は給油孔です。背骨?の給油孔は実際には機体の中心線上ではなく、少し右側にあるのが正解のようです。説明書通りに張ってしまったのは失敗でした。完成まで約1ヶ月かかりました。
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