ファインモールド 1/72 航空自衛隊 F-2A戦闘機

航空自衛隊三菱F-2戦闘機は2000年から配備が開始されました。2007年までに94機が生産され、現在も優れた対艦戦闘能力を持つ戦闘機として運用されています。F-2戦闘機は米国ロッキード・マーティンF-16をベースに開発されましたが、主翼の炭素繊維強化複合材の採用や、アクティブフェーズドアレイレーダーなど、多くの新技術が導入されています。

2003年にハセガワ1/72スケールF-2A支援戦闘機を紹介しましたが、今回は2020年5月にファインモールド社から新設計のキットが発売されたので早速作ってみました。ちなみに現在は航空自衛隊で支援戦闘機(対地、対艦攻撃能力のある戦闘機)という分類は使用されていないようです。

コクピットの計器類のモールドも素晴らしく、操縦桿やスロットルレバーもパーツ化されています。

特に脚室内の情報量は見ごたえたっぷりです。

エアインテーク内もエンジンとの結合部まで再現されています。

20mmバルカン砲の発射口は別パーツになっています。

コクピットのパーツ構成です。

機首に重りが付属します。重りのボルトはキットに含まれているのが嬉しいです。

コクピットの各パネルは付属のデカールを貼りました。

全体的に分割が多く、パーツは多めな印象です。

垂直尾翼のパーツ構成です。

エンジンノズルも3つに分割されています。これは塗装の配色が異なる部分で分割されているため、塗装時のマスキング作業を省略できるようになっています。

エアブレーキは閉じた状態と、開いた状態を選択できます。今回は開いた状態を選択しました。

主翼下の増加燃料タンクが付属します。ただし機体直下用の増加燃料タンクは付属していません。

リベットの表現がすごいです。組立説明書にも細かなモールドが埋まってしまわないようにサーフェーサーの使用は推奨されていませんでしたが、薄めにエアブラシでサーフェーサーを吹いています。缶スプレーのサーフェーサーは被膜が厚くなりがちなので控えたほうが良さそうです。

翼端の航行灯はクリアパーツになっています。

キャノピーが3分割なのもF-2のF-16と異なる部分です。(F-16は2分割)パーツはちょっと厚めな感じです。

射出シートのパーツ構成です。F-2に採用されている射出シート(ACES II)はF-15戦闘機やF-16戦闘機に採用されているものと同じで、これまで幾つかのキットで作成しましたが、本キットのものが最も良いと思いました。

但し、シートベルトは再現されていないため、別パーツ(現用機用シートベルト2 F-15・F-16用 プラモデル用パーツ)を導入しました。

本パーツには4シート分のシートベルトが入っています。

シートベルトを付けた状態です。

HUD(ヘッドアップディスプレイ)に偏光シートを貼ってみました。

大型のHUDを搭載したF-2には効果的なディティールアップだと思います。

主脚のパーツ構成です。内側のタイヤホイールが別パーツになっているので塗装の塗り分けが楽です。

ピトー管も別パーツを使ってみました。パーツにはレドームの左右に付くAOA(迎角センサー)も含まれています。

値段は少々お高めですが、緻密感がかなり上がります。

本キットは武装パーツが無いので、別パーツを導入しました。

キットには9種類の航空自衛隊ミサイルがついてきます。今回は、上からAAM-3(90式空対空誘導弾)、AAM-4(99式空対空誘導弾)、SAM-2(93式空対艦誘導弾)を採用しました。

サーフェーサーを塗った状態です。本キットの各パーツの結合部は、パネルの結合部に合わせてあるのですが、スジ彫りによるパネル分割部より分割パーツの部分が少し太めの凹表現になる部分があります。そこで一部の分割部には溶きパテを塗った後、乾燥後拭き取って少し凹表現がすこし浅くなるようにしています。

パネルラインは予めフラットブラックを塗っています。F-2も運用開始から20年以上経過していることから、最近の実機写真でも退色や塗装のレタッチ後がわかるため、それらも表現してみようと思います。

明るい部分から、パネルのフラットブラックを気持ち残す感じで塗装していきます。

迷彩色の塗り分けはマスキングテープで行いました。

説明書を参考に、マスキングテープを切り抜いています。

水平尾翼をマスキングした状態です。

主翼や胴体も同じ要領でマスキングしていきます。

この工程は結構しんどいです。(^^;

マスキングを剥がすのが楽しいです。(^^;

ミサイルもマスキングして塗り分けました。

F-2の迷彩塗装は色の境界部分が若干ボケているので、細く絞ったエアブラシですこしぼかしを入れてみました。

デカールを貼る前に、クリア塗装で艶を出しておきました。これはシルバリング(デカールの透明部分が密着しないために白っぽくなる現象)を抑えるためです。

デカールの枚数は非常に多いのですが、小さなコーションマークは数カ所をまとめて一枚のデカールになっているため、貼る枚数は見た目ほど多くはありません。但し、透明部分は多くなるのでシルバリング対策はやっておいたほうが良さそうです。

デカールのりとマークセッターを使いました。マークセッターを使えばデカールの下の細かなモールドが潰れづらくなります。

デカール乾燥後にフラットクリアで艶を消しました。

F-2A戦闘機の実機を2022年5月に開催された横田基地日米友好祭で見る機会がありました。このタイミングで本キットが発売されたことも有り、再度F-2戦闘機を作ってみることにしました。ハセガワのキットの発売から10年以上経過して要ることも有り、細部のディティール表現はかなり向上していることが感じられます。ファインモールドからは2022年8月にF-2B(複座型)も発売が予定されています。これからF-2戦闘機を作ってみたい方にはおすすめできるキットだと思いました。

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