F/A-18E/Fスーパーホーネットは対空戦闘と対地対艦攻撃能力を持ついわゆるマルチロールファイターよ呼ばれるアメリカ海軍の戦闘攻撃機です。F/A-18は現在もアップデートが続けられ、初期のブロック1から、現在主流のブロック2、ブロック2+と、2021年から納入が開始されたブロック3があります。
今回紹介するハセガワ1/72スケールF/A-18Fスーパーホーネット トップガンは、2022年に公開された映画「トップガン マーベリック」のモデルとなった「アメリカ海軍戦闘機兵器学校」通称「トップガン」で運用されている機体です。(映画でトム・クルーズが搭乗していた機体は映画用の特別塗装で、本機とは異なるものになります)以前に作例を紹介したハセガワ 1/72 F/A-18Fはブロック1なのですが、今回作成する機体はブロック2相当になます。
機首部分の凹パネルラインを埋めて消す処理や、新たにパネルラインを彫り込む指示がされています。模型工作初心者には少々ハードルの高い要求なので、そのまま作成するのもありだと思います。
タミヤの「瞬間接着剤 イージーサンディング」を使って見ました。これは硬化後も硬さがプラスチックに近く、普通の瞬間接着剤より削りやすいのでおすすめです。更にタミヤの「硬化促進剤 瞬間接着剤用」も使ってみました。あっという間に接着剤が硬化するので非常に作業が効率的に進みます。この組み合わせはおすすめです。(^^
パネルライン埋め込み後の状態です。
エアインテークのパーツです。内部部分に押しピン跡があるのでパテで埋めています。奥の方にも押しピン跡があるのですが、あまり目立たないと思うので、パテ埋めは省略しました。(^^;
水平尾翼はポリキャップで固定するようになっています。組み立て後も稼働させることができます。
コックピットのフロントパネルは平らなので、プラ板で立体にしてみました。
コックピットを仮組みした状態です。
各パネルはデカールが付属します。
フロントパネルのデカールは、計器毎に切り分けて貼り付けました。
エンジン後部のパーツ構成です。ノズル内部はほとんど見えないのでフラットブラックで塗装しています。
機首の20mmバルカン砲の発射口は縦に貫通した穴になっています。これは実機と異なるので、パテで埋めて浅くしています。
ストレーキ(主翼前部を延長した部分)の裏側のパーツ分割による隙間も瞬間接着剤で埋めます。
後部座席の後ろにもプラ板と伸ばしランナーでモールドを追加しています。
実機のこの部分には、更に色々な機器が見えるのですが、追加工作はここまでとします。(^^;
接着面は段差ができる箇所が多いです。
根気よくつなぎ目や、段差を埋めていきます。
やっと、満足できる状態になってきました。キャノピー前部の周りは、キットで再現されていないパネルラインを彫り込んでいます。
主翼の付け根裏側は以前の作例はパーツの結合面に大きな段差ができてしまいました。今回は組み立て説明書の順番を無視して、エアインテーク部分を接着する前に、主翼を接着しました。この順番であれば、主翼付け根の結合部分を処理しやすくなります。
主翼付け根の段差や隙間を処理してから、エアインテークを接着しました。
2枚の垂直尾翼の間のモールドはブロック1とブロック2では大きく異なります。
キットでは再現されていない、前部キャノピー周りのパネルラインの状態です。
水平尾翼周りもパーツが上下に分割されているため、合わせ目を消すと一緒にパネルラインが浅くなってくるので、更に彫り込んでいます。
機体左下部に付くAN/ASQ-228(前方監視赤外線ポッド)のパーツ構成です。
F/A-18の主脚は中央部分で折れ曲がるようにヒンジがあります。キットのパーツはこの部分の表現が省略されています。
そこで、ヒンジをデザインナイフで削り込んで再現してみました。
HUD(ヘッドアップディスプレー)とHUD下部のレンズ部分は偏光シールを貼ってみました。
実機の写真ではキャノピー前部はオレンジっぽいスモークがかかっているように見えます。スモークグレーとクリアーオレンジを混ぜて塗装してみました。
キットでは省略されている主脚タイヤの溝も彫り込んでみました。
ドロップタンクのパネルラインやリベットも彫り直しています。
シートのモールドもあっさりしているので、プラ板でモールドを追加しています。
シートベルトは薄い鉛板で追加しています。
シートを塗装した状態です。
パイロンの下部も(ちょっとピンぼけですが)デザインナイフでモールドを彫刻しています。(手前が彫刻追加後です。)
サーフェーサーはグレーにして、下地としてパネルラインをフラットブラックで塗装しています。
この時点で主翼のパネルラインがかなり省略されていることが気になりだしました。(^^;主翼接着後なので加工し辛いのですが、パネルラインの追加彫り込みとリベットの追加を行うことにしました。等間隔のリベットラインを打つために専用ツールを使ってみました。
パネルラインを追加してリベット穴を打った状態です。かなり情報量が増えて個人的には満足です。(^^
改めて下地としてパネルラインをフラットブラックで塗装します。
実機は塗装のレタッチで塗装ムラが見えます。これの再現を試みるため、更にテンプレートを使用して、フラットホワイトでムラを書き込みました。
全体的にムラを書き込んでいきます。
下地のムラが消えない程度に薄く機体色を塗装していきます。
脚室内部は全体を塗装後にマスキングして塗装しています。
パネルラインに墨入れを行った状態です。
主脚には注意書きのデカールが付属します。前回のキットにはデカールはなかったので、それっぽく書き込んでいました。デカールの追加は嬉しいアップグレードです。(^^
汚れた感じを表現するために、油絵の具でフィルタリングを行いました。
数色の油絵の具を点付けして、溶剤を含んだ筆で伸ばしていきます。
機体全体にフィルタリングを行いました。
キャノピーにはバックミラーや手すり等をプラ板で工作したものを追加してみました。
コックピット周りの情報が増えて、個人的には満足です。(^^;
映画「トップガン マーベリック」を見た勢いで、再度F/A-18の作成にチャレンジしてみました。個人的には前回の作成で気づいた工作上の改善点はかなり実現できた感じがします。今回は色々追加工作を行ったこともあって完成には1ヶ月以上かかってしまいました。
余談ですが、映画「トップガン マーベリック」は評判通り非常に楽しめました。航空機模型ファンの方には模型工作のモチベーションを高めるためにもおすすめです。(^^;
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