アメリカ陸軍M10駆逐戦車は第2次世界大戦中に主にヨーロッパ戦線で活躍した戦車です。駆逐戦車とは戦車撃破を目的とした戦闘車両で、攻撃力の高い主砲を搭載するために固定砲塔であるものが多いのですが、M10は旋回砲塔が特徴です。
本キットはタミヤ1/48ミリタリーミニチュアシリーズのNo.19で、2005年に発売されました。
足回りはM4シャーマンと同じ水平懸架サスペンションです。M10のシャーシはM4と共通だそうです。
鋳造で生産された鉄のザラザラした表面もリアルです。キットは牽引フックが付く部分の穴が空いていなかったため穴あけ加工をしています。
シャーシはダイキャスト製で、手に持ったときは重量感があります。M10はオープントップなので、キットでは車両の内部が一部、再現されています。車両内部は砲塔の上部から覗き込むことができます。
転輪は一度、仮組みをして分割されている履帯を輪の状態で接着しています。
履帯と転輪、サスペンションを取り外してから塗装に入りました。
フロントランプや小物を取り付けた状態です。丸いポッチは増加装甲を取り付けつための留め具ですが、実際には増加装甲はあまり使用することはなかったそうです。
旋回砲塔はオープントップなので内部の構造も再現されています。内部構造を作ってみたかったことが本キットを作製した動機でもあります。(^^;
今回の下地塗装はクレオスのサーフェーサー(グレー)を使用しました。
転輪はいつも通り切り抜いたマスキングテープを使用して周囲のゴム部分を塗り分けています。
旋回砲塔の内部を塗装した状態です。壁に取り付けられた砲弾がいい感じです。(^^
主砲はちょこっと塗装ハゲを書き込んでみました。
全体塗装に入る前に旋回砲塔上部をマスキングします。これがちょっと面倒ですね。
指定色のオリーブドラブ(XF-62)を塗ったあとに、単調にならないようにイエローを少し混ぜて明るくしたオリーブドラブをグラデーション状にかぶせています。ハイライトになりそうな上面を明るくしています。雨だれが出そうな留め具の下に軽くフラットブラックを吹いています。
今回も、クレオスのウェザリングペースト(マッドイエロー)で泥汚れを書き込んでいます。
泥汚れは茶系のクレオスMr.ウェザリングカラーで少し変化をつけています。
車体にはMr.ウェザリングカラーのサンディウォッシュでウォッシングして砂埃っぽい汚れ具合にしてみました。
この状態からデカールを貼っています。デカールの上につや消しクリアーを吹いて艶を整えています。
本キットは小物が充実しています。2種類のジェリカンや鞄、丸めた毛布(?)にドラム缶もあります。折角なので(?)全パーツを使ってみます。(^^;
布製の小物は陰影を強調して塗り分けています。
油絵の具でフィルタリングしました。適当に色をおいて…
テレピン油を含ませた平筆で伸ばしていきます。フィルタリング後は、いかにも「貼りました」感のあるデカールも一気に馴染んだ感じになります。
小物はパケージのイラストを参考に貼り付けています。接着にはタミヤの多用途接着剤を使いました。
車体上のジェリカンや荷物は載せただけなので走ると多分落ちます。(^^; 模型的には紐などで縛って固定しているのを表現したいところです。
中が見れるのがオープントップの魅力だと思います。(^^
タミヤ1/48ミリタリーミニチュアシリーズの作例紹介はこれで6作目になりますが、本キットも非常に作りやすいキットでした。小物も充実していてオープントップならではの内部構造が組み立てられるなど見どころも多く「中のメカ」好きな方にはおすすめです。(^^;
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